1901年にスウェーデンで発行された10クローネ金貨となります。
肖像として描かれているのは、スウェーデン兼ノルウェーの国王であった
オスカル2世です。
オスカル2世は、国民にとって魅力のある王様だったと言われています。
オスカル2世統治下で、ノルウェーはスウェーデンから独立しようと動き、
スウェーデンとの間で軍が動員されるなど緊張が高まっていました。
オスカル2世も、ノルウェーの独立には内心反対でしたが、
ノルウェーの独立が争いを回避するために必要なことも分かっていたため、
両国の安寧のため止むなしと決断し、了承しました。
しかし、このことでオスカル2世は深く落ち込み、傷ついていましたが、
それを慰めるために、なんと1万人ものストックホルム市民が集まり、
スウェーデン王室歌を歌い、国王を慰めたと言われています。
オスカル2世がいかに国民から慕われていたかがうかがえる、
良いエピソードですね。
このコインからも、そんなオスカル2世の思慮深さが伝わってくる
名品と言えるでしょう。
●コインのデザインと価値●
表面はオスカル2世の肖像が描かれ、裏面は
スウェーデン・ノルウェー連合王国の
国章の王冠とマントと盾が描かれています。
表面の周りの「OSCAR II SVERIGES OCH NORGES KONUNG」は
「オスカー 2 世、スウェーデンおよびノルウェー国王」という意味で、
裏面の「BRDRAFOLKENS VL」は、「兄弟民族の福祉」という意味です。
また、このコインは、ナチスの強襲を逃れたコインとしても有名です。
どういうことかと言いますと、第二次世界大戦時にナチスドイツが
ノルウェーを侵攻しようとした際に、多くの金貨が略奪され溶解
されましたが、本品のように一部のコインは溶解されず、
難を逃れることができたというわけですね。
コインとしての価値は、NGCよりMS66の高鑑定を受けており、
100年以上前に作られた金貨にしてはかなりの美品だと言えます。
美品でかつ歴史的にも価値のあるこのコインを
是非一度お手に取って、ください。