従来の顕微鏡用対物レンズ (有限系)とは全く異なるデザインアプローチにより、寸法的小型化を妥協する代わりに、抜群の光学的性能と長作動距離が得られるようにデザインされました。
長作動距離のため、従来の対物レンズでは難しかった段差のある被写体にもピント合わせが可能です。
最高級プランアポクロマートデザインを採用したM PLAN APOシリーズは、基本波長 587nm (イエロー)で設計し、436~656nmの可視域全体を色収差補正しています (赤・黄・青の三波長補正)。
一般的なアクロマート対物レンズは、赤と青の二波長のみしか補正しておらず、また収差補正波長帯も486~656nmまでと、本製品の収差補正波長帯よりも狭い帯域に限定されます。
本製品は観察用途を目的としてデザインされており、色の再現性は極めて良好です。
また歪もフリーです。倍率は5X、同焦距離は95mm 、顕微鏡本体との接続用にM26 x P0.706 (36TPI)のねじ山が施されています。
一般に無限補正対物レンズは、明視野観察用途において、照明光が対物レンズの光軸と平行な同軸落射照明用のレンズに最適です。
なお本製品は有限系デザインの対物レンズとは異なり、対物レンズ単独では像を結びません。
無限補正対物レンズは、通常結像レンズ (ミツトヨ製、或いはInfiniTubeビデオレンズ)と呼ばれるレンズとペアで用いて像を結びます。
この組み合わせのメリットは、使用者が顕微鏡用光学系としての機械的/光学的鏡筒長を気にせずに、ある程度自由に設計できる点にあります。
なお本製品は、F=200mmの結像レンズとの使用を前提に光学倍率が設定されています (異なる焦点距離の結像レンズを用いた場合は、光学倍率が異なる大きさになります)。
対物レンズ仕様 :
倍率
5X
NA
0.14
W.D(mm)
34
焦点距離(mm)
40
分解能 (m)
2
被写界深度
14
実視野 2/3" Sensor (mm)
1.76 x 1.32
実視野 1/2" Sensor (mm)
1.28 x 0.96
重さ (g)
240