図録本 ファベルジェと宝飾黄金時代展
モスクワ国立歴史博物館 テキスト・協力
1991年
カラー・モノクロ
95ページ
ソフトカバー
29.5x22.5x0.8cm
※絶版
本展のために厳選された、「ファベルジェの卵」で有名なファベルジェ作品70点をはじめ、
当時のペテルスブルグ(現レニングラード/サンクトペテルブルグ)とモスクワの有名宝飾工房の作品95点は、
すべてモスクワ国立歴史博物館が誇る「銀の時代」のコレクション。
ロシアの工芸芸術の歴史全般にわたる450万点の所蔵品を持つ世界有数のコレクションのなかでも白眉ともいえる、
ファベルジェと同時代のアーティストの作品を、世界に先駆けて日本で展示したもの。
本書はその図録本。
カラー・モノクロ作品図版と制作工房、制作年代、寸法と主な作品には解説を付し、
ファベルジェに関する書籍は類書もほとんど無く、
論考テキストも収載した大変貴重な資料本です。
【序文より】
ロシア・ロマノフ王朝最後の皇帝二コライ2世が溺愛した一人の天才宝飾芸術家がいました。
彼の名はカール・ファベルジェ。
1846年ペテルスブルグに生まれたカールは、ドイツ、フランスで修業を積んだ後、24才にして父グスタフ・ファベルジェの工房のジュエリー・アーティストの仕事を始めました。その非凡な才能は、単に宝飾師としての領域に留まらず、国籍の異なる500人ものファベルジェエ房のジュエラー達を統率する芸術監督の役割を果たしました。彼のディレクションによって生みだされた宝飾作品
は、「精緻」「優雅」の代名詞としてアレキサンドル3世、二コライ2世など歴代のロシア皇帝をはじめ、英国、デンマーク、ノルウェー、ギリシャ王室御用達筆頭の栄誉を受け、当時のヨーロッパ貴族や上流階級の称賛を集めました。また、数々の国際展で金賞を授賞、1900年のパリ万国博では巨匠の称号とレジョン・ド・ヌール賞を授与されるなど、その偉業は宝飾芸術の歴史に燦然と輝いています。
カール・ファベルジェ芸術が宝飾世界の最高峰を極めた19世紀末期から20世紀初頭は、ロシア文化芸術史の中でも注目すべき「銀の時代」といわれ、千年王国ロシアの精神性を芸術全域に蘇えらせた時代でもありました。特に工芸芸術では、ファベルジェエ房を頂点とした絢燗たる宝飾の黄金時代が築かれたのです。
本展のために厳選された、ファベルジェ作品70点をはじめ、当時のペテルスブルグ(現レニングラード)とモスクワの有名宝飾工房の作品95点は、すべてモスクワ国立歴史博物館が誇る「銀の時代」のコレクションです、1875年に建立され赤の広場に面した重厚壮麗な赤レンガの建物の同博物館は、ロシアの工芸芸術の歴史全般にわたる450万点の所蔵品を持つ世界有数のミュージアムです、本展は、同館の全面的なご協力により、その白眉ともいえるファベルジェと同時代のアーティストの作品を、世界に先駆けて日本で展示するものです。
本展の開催に際し、モスクワ国立歴史博物館を初めロシア共和国文化省、在日ソ連大使館、在大阪ソ連総領事館など関係各位に深く感謝の意を表すと共に、ソ連と日本の文化交流を通しての国際友好親善が、ますます盛んになることを期待いたします。
【主な内容】
序文
カール・ファベルジェと同時代人たち
ファベルジェ工房の宝飾師たち
作品図版(カラー・モノクロ)
ペンダント Pangania
イースターエッグ
メダル、ブローチ
香水瓶
シガレットケース
シガーボックス
小箱
ティーセット
水差し
グラス
ワインセット
置き時計
飾り額付きミニアチュール
聖杯
祭壇用十字架
ロシア正教祭儀用王冠
イコン・ランプ
宝飾チェーンベルト
聖ニコラス 盾つきイコン
聖女Fedorovo 盾つきイコン
ほか